Nexus for R では、環境や社会に対する責任を果たし、いのちの再生へと向かう未来を創る企業や団体の事例を広く紹介しています。そうした取り組みを後押しすることが、多くの人が希望ある一歩を踏み出すきっかけにつながると信じているからです。
掲載事例を選ぶ際には、以下のような基準に基づき話し合いを行っています。
【掲載基準:段階分け】
取り上げる事例の母体である企業や団体を、環境や社会課題への配慮や関わり方に応じてステップ0 からステップ 4 に分けて評価しています。
ステップ0:環境や社会課題への意識がまだない段階
環境破壊や人権侵害などが継続的に指摘され、改善の兆しが見られない、「すべてがこれから」の段階。
ステップ1:課題を認識し、改善に向けて歩き出した段階
現時点では環境や社会への悪影響が大きいが、改善に向けた取り組みを始めている。
ステップ2:課題解決に向かう部分と、逆行する部分が混在している段階
一部の事業では環境や社会に好影響を与えているが、他の面では悪影響を及ぼしている。
- 環境配慮型の製品を提供する一方で、大量廃棄物や人権問題が指摘されている
- 課題について改善の意志は示しているが、進捗や透明性が限定的
ステップ3:積極的にリジェネレーションを進めている
環境や社会へのプラスの影響を与えるため、明確な目標と改善計画を持ち、着実に進捗を公開している。
- 具体的な目標を宣言し、社会課題の解決に向けて取り組んでいる。
- 今ある課題について、自社の責任を自覚し、透明性のある対応をしている
ステップ4:リジェネレーションを体現している
事業全体が環境や社会にプラスの影響を与えている。
- 環境再生型農業や食品ロスの再資源化など、生態系や人々の再生につながる活動が中核事業になっている。
- サプライチェーン全体で人権や公平性を守り、プラスの影響を生むビジネスモデルを採用している。
Nexus for R では、ステップ 3 以上の企業や団体を積極的にご紹介しています。さらに、まだステップ 2 の段階にある企業や団体の取り組みついても、応援したいと考えたものは取り上げています。社会全体の改善のためには、いま既に課題を克服している人たちだけでなく、課題を抱えながら試行錯誤を繰り返している人たちも支えていくことが大切だと考えているからです。
下にある「判断材料」や口癖にしたい12の問いのページでご紹介した問いは、「いのちの再生」へ向かう道を探しあぐねている人たちにこそ、ご参考にしていただきたいものです。
それぞれの企業や団体がどのステップにあるかは、オンライン上で公開されている情報から判断しています。特に、社会的影響力の大きい上場企業については、以下のような点を中心に情報を精査しています。
【掲載基準:判断材料】
環境問題へのコミットメント
- 環境問題に関するポリシーの記載
- 以下についての具体的な数値目標や、進捗状況が報告されているか。課題を認識し具体策が講じられているか。
- 温室効果ガス削減
- 廃棄物削減
- 資源利用
- 原材料調達に係る環境や人権の侵害
- 環境汚染
- 生態系保護 など
- 目標達成のための具体的な取り組み
- サプライチェーン全体での環境配慮
- 環境影響評価が行われているか、その評価が基準に照らしてどの水準にあるか
人権問題へのコミットメント
- 人種、ジェンダー、障害などの格差是正に関する記載
- 上記についての具体的な数値目標と実績(女性管理職の割合、給与の男女格差是正、人種格差の是正、障碍者雇用の割合など)が報告されているか。課題を認識し具体策が講じられているか。
- 強制労働や児童労働に関する記載(UNGPs、ILO条約などの国際基準との整合性が明記されているか)
- 労働時間、休暇、賃金、労働組合の自由に関する記載
- 人権デューディリジェンスおよび従業員の福利保護のための具体的な取り組み
- サプライヤーに対する人権監査やトレーニング
- 問題が発生した場合の対応
- 内部通報制度やグリーバンスメカニズムの整備状況
- 開発や事業活動が地域社会に与える影響の評価
外部からの評価
- 外部機関からの問題の指摘に対して、改善策が講じられているか、解決過程にあるか
- 種々の規格や認証における評価
私たちが求めているのは、確かな約束と実現へ向けた強い意志、そして透明性です。
実現可能性のある、それでいて十分に高い数値目標と、そこへ向けた具体策からは、本気が伝わります。進捗の共有は、信頼につながります。
「いのちの再生」へと向かってともに歩んでいく仲間を見つけていくために、増やしていくために、こうした情報が当たり前に共有されるようになっていくことを期待しています。